闇の中を
明りめがけて走って帰って
ふりむくと
線路の上に潰してきた蛍が
狐火のように光っている

裸の豆電球の下の
青蚊帳の中で病んでいる
三十三歳の母の胸もとは
はだけていて
無数の蛍がとまっている


笛や太鼓の音は
どうしようもなくつづいている

 


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